初の試み「六大学落語会」


2015-07-21 17.57.31

昨日は仕事を早々に切り上げて国立演芸場に足を運んできた。

本邦初の六大学落語会という興行で、各大学出身の落語家が競演するというおもしろい試みである。

顔付け・演目は以下の通り。

獅子舞:初音家左吉
開口一番・子ほめ:金原亭駒松(立教・馬生一門)
たがや:春風亭昇吉(東京・昇太一門)
火焔太鼓:立川志ら乃(明治)

中入り

トーク:六大学対抗
掛取り早慶戦:古今亭志ん吉(早稲田・志ん橋一門)
ぼやき酒屋:初音家左吉(法政・左橋一門)
幽女買い:立川談慶(慶應)

駒松は口調よく、前座としては満点の高座である。秋には二つ目に昇進するので、あちこちで聴けるようになる。
昇吉は役柄をよくわきまえ、自身の学歴や有名人の歌丸などをいじくって客席を温めた後で侍の品格がある「たがや」に入る。昇吉を聴くのはひさしぶりなのだが、以前よりもずっと良くなっていた。
志ら乃の「火焔太鼓」は古今亭のお家芸を自身の十八番として焼きなおした自信の一作であるはずで、対抗戦という場にこれまたふさわしかった。おかみさんが強烈なキャラクターになっている。

中入り後はトークを挟んで後半戦に。この日のMVPは誰がどう見ても志ん吉だろう。六代目春風亭柳橋の「掛取り早慶戦」をまさか聴ける日が来るとは。この日にぴったりの一席であり、また、野球選手や六大学の地口を借金の催促と言い訳に織り込むという趣向がおもしろく、客席は湧きに湧いた。
その後の左吉は膝代わりの責務を果たし、軽い噺を抑揚つけ過ぎずに洒脱にこなした。対抗戦だから目立ちたくなるはずなのに、出しゃばらず、役目に徹したのは当たり前のことだが素晴らしい。
主任の談慶は師の月命日であることに触れて、談志中期の得意ネタであった「幽女買い」に入る。亡者があの世で遊び回るさまを描いた点は上方噺の「地獄八景亡者戯」に似るが、あそこまでの大きさではなくほどよく笑わせる。時事ネタも織り込み、満足の出来であった。

おそらくは各大学出身者(特に落研)の客が多かったであろう国立演芸場だったが、その興味も満たすゴシップは提供しつつ、一興行としてもバランスがとれていた。演者のチームワークの良さを感じる。来年も同じ顔ぶれで行われるようであり、今回未見の人にもぜひ来場をお勧めしたい。