12月プロデュース興行第3弾・「オールナイトで談四楼」立川談四楼独演会第6回 今回は「富久」!

さてしんがりに控えますは、隔月で開催させていただいている立川流の高弟・立川談四楼さんの独演会「オールナイトで談四楼」です。

 この会は談四楼さんの「世の中に深夜寄席を謳う興行は数多くあるが、どれも本当の深夜寄席ではない。なぜならばみんな終電までには帰れるからだ」とのお言葉から始まりました。つまり終電で来る時刻にひそかに行われ、始発で帰っていくのが真の深夜寄席であるとの道理。
 たまたま当会場は新宿五丁目、かつての内藤新宿、現在の新宿二丁目を靖国通りの対岸に臨む大人の立地です。不夜城と呼ばれたこともある新宿にふさわしく、オールナイトで落語を楽しむという酔狂な興行をここだけでもやってみよう。そんな心意気でこの会は始まりました。隔月ですので今回でちょうど1年のサイクルを終えたことになります。

 そんな節目にふさわしく、また年末を飾るネタということで、今回はトリに「富久」を口演いただきます。談志の12月といえば「芝浜」があまりにも有名ですが、ファンの中には「富久」を好む方も多いはずです。貧しい幇間がようやく掴んだ一攫千金の夢、それが指の間からすり抜けそうになったときの悲哀。談志はそれを、溢れんばかりの感情表現で演じました。「富久」における感情移入は鬼気迫るものであったのです。
 家元ゆかりのネタを、たっぷりと聴いていただきます。
 お寒いですが、どうぞ体調を崩されませんよう。十分にご注意の上、お運びください。

 ご予約・お問い合わせはこちらまで。

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杉江松恋プロデュース オールナイトで談四楼6 終電から始発まで噺っぱなし
 
恒例深夜イベント、今回は年末にふさわしく『富久』
 
 
[出演] 立川談四楼(落語家)

[日時] 2014年12月21日(日)  開場・午前0:30  開演・午前1:00  終演・午前3:00

[会場] Cafe Live Wire (Biri-Biri酒場 改め)
     東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (Googleマップ)
    ・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6~8出口から徒歩5分
    ・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分
    ・JR線「新宿」駅 東口から徒歩12分
 
[料金] 3000円 (当日券500円up)  

※全席自由。限定40席です。
※未成年の方はご入場できません。
※オールナイトの長丁場になります。お神酒、事前の景気づけはほどほどでお願いいたします。
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 なお、この興行の前には談四楼さんの弟子・三四楼さん、寸志さんの出演される落語会がございます。
 はしごでのご観覧をぜひ。

12月プロデュース興行第2弾「落語立川流×星派道場ショートショート寄席」立川三四楼・寸志 ゲストに作家・田丸雅智!

「談慶の意見だ!」に続く第2弾は、同じく立川流二つ目・三四楼さんをお招きしての実験落語会です。

 Biri-Biri寄席には初登場となる立川三四楼さんは、1976年、愛知県生まれ。初めは立川流真打の快楽亭ブラック(現・フリー)に入門し、その後談四楼門下に移籍して改名、2010年に二つ目に昇進しました。
 師匠譲りの古典落語は見事なのですが、それ以外にSFファンの顔も持ち、その方面の知人も多くいらっしゃいます。観客を自分の世界に引き入れる「メビウス落語」をぜひご覧いただきたいと以前から思っておりました。

 今回は出版芸術社からデビューされたショートショート作家の田丸雅智さんとご面識がおありということもあり、田丸さんにゲストに来ていただくほか、その作品世界の落語化にも挑戦していただこうと思っております。『夢巻』『海色の壜』の作品集で田丸さんのファンになられた方も、ぜひ会場にお運びになってみてください。

 ショートショート作家・田丸雅智の個人サイト「海のかけら」

 もう一人、2015年3月に二つ目昇進が決まって意気軒昂の弟弟子・立川寸志さんもご出演予定です。40代で立川談四楼さんへの入門を果たした「中年の星」にもぜひ熱い声援をお願いします。

 ご予約・お問い合わせはこちらまで。

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落語立川流×星派道場 ショートショート寄席
~ 立川談志と星新一、それぞれの孫弟子が奇跡のジョイント ~

 
立川談志の孫弟子にあたるSF大好き落語家の立川三四楼と、星新一の孫弟子、新鋭ショートショート作家 田丸雅智。
偉大なる師の業績を追う二人の若き求道者が、ここ新宿で初のジョイントを果たします。

[日時] 2014年12月20日(土)  開場・21:00  開演・21:30 (約2時間を予定)

[会場] Cafe Live Wire (Biri-Biri酒場 改め)
     東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (Googleマップ)
    ・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6~8出口から徒歩5分
    ・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分
    ・JR線「新宿」駅 東口から徒歩12分
 
[料金] 1500円 (当日2000円)

 なお、この落語会の終了後には師匠・立川談四楼さんの「オールナイトで談四楼」も続いて行われます。
 ぜひはしごでのご観覧を!
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12月プロデュース興行第1弾「談慶の意見だ!」立川談慶独演会第3回 仲野茂登場!

こちらではご無沙汰しております。杉江松恋です。

 世間では12月というと大変多忙な時期かと思いますが、年末進行で前倒しのスケジュールになる私の稼業だと、実はそれほど仕事をしないでいい月なのです。
 なので今月は好きな落語に時間を使おうと思っております。

 とりあえずまずは、12月にCAFE LIVE WIRE Biri-Biri寄席で企画している落語会のご紹介をば。

 第1弾は、落語立川流の切り込み隊長、真打・立川談慶の独演会です。
 この落語会、他では絶対に体験できない興行を、ということで演目の予告に加え、談慶さんによる「絵手紙漫談」と、ゲストをお招きしてのトークコーナー「談慶が訊く!」の2つを用意しております。
 今回のゲストはなんと、あのANARCHYの仲野茂さんです。

 仲野茂気まぐれウェブログ

「え、落語会でなぜパンクなの!?」
 と驚かれる方も多いでしょうが、談慶さんは以前からのANARCHYファンで、それが縁で仲野茂さんともご親交がおありなのだとか。当日は「落語はパンクだ」を合言葉に、尖鋭的なトークが繰り広げられるはずです。仲野さんは、アコースティックギターでの演奏も予定してくださっているとのことです。
 この機会にぜひ、生仲野茂を。

 そして気になるトリネタは立川流年末の定番「芝浜」を。
 落語パンク論から人情噺の大ネタまでの流れがどうつながるのか、企画者としても予想がつかず、スリルに震えております。他では絶対に体験できない落語会、の呼び名にふさわしい一夜をぜひお楽しみください。

 ご予約・お問い合わせはこちらまで。

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Biri-Biri寄席『談慶の意見だ~』#3 立川談慶独演会
 
『芝浜』他2本+『談慶が聞く』はゲスト・ANARCHY仲野茂さん登場!
 

[日時] 2014年12月19日(金)  開場・18:30  開演・19:00

[会場] Cafe Live Wire (Biri-Biri酒場 改め)
     東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (Googleマップ)
    ・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6~8出口から徒歩5分
    ・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分
    ・JR線「新宿」駅 東口から徒歩12分
 
[料金] 1500円 (当日券500円up)

 終演後には演者を交えての懇親会もございます。そちらにもどうぞご参加ください。
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10/18(土)25時から「第5回オールナイトで談四楼 立川談四楼独演会」です

 終電で来て始発で帰る「真の深夜寄席」を目指すこの会も第五回になりました。
「世の中に深夜寄席と名のつく会は沢山あるが、どれも終電までに余裕で帰れるものばかり。真の深夜寄席、大人の遊び場と言えるものはどこにもない」
 そういうお考えから、立川談四楼さんが今年2月から始められたのがこの「オールナイトで談四楼」です。  まだ来たことがない、という方のために深夜寄席の見どころをお伝えいたします。

 その1、落語はたっぷり二席(+前座一席)。小ぢんまりとした空間で落ち着いて楽しめる。

 座席は椅子で準備しております。演者との距離も近く、至芸を目の当たりにすることができるはずです。
 そして、手抜きなしの二席はここぞ、というネタが飛び出してきます。
 これまでの三回の演目をご紹介すると、

 第一回、「らくだ」と「鼠穴」
 第二回、「三年目」と「柳田格之進」
 第三回、「人情八百屋」と「ぼんぼん唄」
 第四回、「もう半分」と「一回こっくり」

 前回は八月ということもあって、少し怪談要素の入った噺で二席でした。
 大ネタ中の大ネタあり、普段は聴けない珍しい噺あり。事前にネタを公開しない「お楽しみ」の演目ですから、いろいろ推理してみるのもいいでしょう。今回は秋の夜長ということで、またいろいろご趣向があるでしょう。

 その2、枕もまた楽しみのうち。

 ファンの方には言わずもがなですが、談四楼さんは噺の前の枕もまた抜群です。その日に報道されたさまざまな時事ネタに触れながら、自由自在に話を進めていかれます。どこで一体本題に入るのか、どの噺が聴けるのか、推理をしつつ枕を楽しむのもまた一興。その楽しさは、たとえばtwitterなどでも味わうことができます。毎日3ツイートだけ、140 字きっかりというルールを定めて投下されているツイートの数々で、話芸の片鱗をご覧になってみてください。

 立川談四楼公式twitterアカウント:@Dgoutokuji

 その3、懇親会まで手抜きなし。

 終演後、演者を囲んで懇親会になります。真打の落語家と至近距離で話せるチャンスです。
 談四楼さんは落語も懇親会も手抜きなし。芝浜じゃあるまいし、夜が白々明ける前に追い出す、なんて野暮な真似は致しません。今日の落語で気になったこと、生鑑賞の感想などを演者にぶつけてながら、楽しくやりましょう。お一人で参加されても、懇親会でぽつんと一人になることはありませんのでご安心なさってください。
 あ、もちろん時間内は飲み放題です。
 終演後にたっぷり飲めますので、どうか来場される前はほどほどになさってくださいね。

 ご予約、お問い合わせはこちらまで。

 または杉江宛にtwitter(@from41tohomania)かフェイスブック(https://www.facebook.com/mckoy.sugie)でメッセージをいただくか、メールアドレスを御存知の方はそちらでご連絡していただいても結構です。

 会の詳細は以下をご覧ください。

時間:10月18日(土)25時(19日1時)開演(24時30分開場)
場所:
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「カリカキッチン」二階。階段を上がる)
「CAFE Live Wire (旧ビリビリ酒場)」
 TEL・FAX 03-6273-0430(「碌に為さんが惜しみゼロ」)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
https://go-livewire.com/theater.html

会費:当日3000円(予約2500円)、懇親会は別料金3500円をいただきます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。
2014DanshirouAllNight4&5

9/12(金)は立川談慶独演会「談慶の意見だ」第2回です。

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7月に開催いたしましてたいへんに好評をいただいた、立川談慶さんの独演会が帰ってまいります。第2回は、新趣向「談慶が訊く!」と題しまして、ベテラン探偵の小原誠さん(オハラ調査事務所代表取締役)をゲストにお招きし、探偵の目から見たこの世の嘘と誠についてお伺いするコーナーを設けました。もちろん、この会ならではの趣向として、談慶さん得意の絵手紙トークも予定しております。

そして毎回おなじみの予告トリネタは「井戸の茶碗」です。嘘と誠のどちらをクローズアップした噺なのかは、聴いてのお愉しみ。他では味わえない立川談慶ならではのオリジナル世界を、どうぞご堪能ください。

ご予約はこちらからお願いします。
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[日時] 2014年9月12日(金)  開場・18:30  開演・19:00

[会場] Cafe Live Wire (Biri-Biri酒場 改め)
     東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (Googleマップ)
    ・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6~8出口から徒歩5分
    ・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分
    ・JR線「新宿」駅 東口から徒歩12分
 
[料金] 1500円 (当日券500円up)

※全席自由。限定40席です。

※終演後、談慶師匠を囲んでフリーフード&フリードリンクの懇親会を開催します(22:30終了予定)。参加費は3500円です。(当日参加は4000円)
 参加希望の方はオプションの「懇親会」の項目を「参加する」に変更してお申し込みください。参加費も一緒にお支払いただきます。

※ご注文者には整理番号をメールでご連絡します。
 お申し込み時に住所をご記入いただきますが、チケットの送付はいたしません。
 当日会場受付にて、名前、整理番号をお伝えいただければ入場できます。
 
※お支払い後のキャンセルは一切受け付けませんのでご注意ください。
 
※銀行振り込み決済の締め切りは9/11(木)午後3時、カード決済の締め切りイベント当日午前0時です。

本日25時より、立川談四楼深夜寄席です

2014DanshirouAllNight4&5

 すでにお知らせしている通り、本日25時より新宿BIRIBIRI寄席にて立川談四楼独演会「オールナイトで談四楼」が開催されます(開場は24時30分)。

 終電で来て始発で帰る「真の深夜寄席」を目指すこの会も四回目を迎えました。
 まだ来たことがない、という方のために深夜寄席の見どころをお伝えいたします。

 その1、落語はたっぷり二席(+前座一席)。小ぢんまりとした空間で落ち着いて楽しめる。

 座席は椅子で準備しております。演者との距離も近く、至芸を目の当たりにすることができるはずです。
 そして、手抜きなしの二席はここぞ、というネタが飛び出してきます。
 これまでの三回の演目をご紹介すると、

 第一回、「らくだ」と「鼠穴」
 第二回、「三年目」と「柳田格之進」
 第三回、「人情八百屋」と「ぼんぼん唄」

 でございました。大ネタ中の大ネタあり、普段は聴けない珍しい噺あり。事前にネタを公開しない「お楽しみ」の演目ですから、いろいろ推理してみるのもいいでしょう。八月、夏まっ盛りということで、どんなネタを選んでくるか。楽しみです。

 その二、懇親会まで手抜きなし。

 終演後、演者を囲んで懇親会になります。真打の落語家と至近距離で話せるチャンスです。
 談四楼さんは落語も懇親会も手抜きなし。芝浜じゃあるまいし、夜が白々明ける前に追い出す、なんて野暮な真似は致しません。今日の落語で気になったこと、生鑑賞の感想などを演者にぶつけてながら、楽しくやりましょう。お一人で参加されても、懇親会でぽつんと一人になることはありませんのでご安心なさってください。
 あ、もちろん時間内は飲み放題です。
 終演後にたっぷり飲めますので、どうか来場される前はほどほどになさってくださいね。

 昨夜で会社がひとまずお休みになり、夏季休暇に入られたという方もいらっしゃるでしょう。帰省シーズンも始まるのかな? そんな時期ではありますが、深夜寄席は以下のような方に特にお勧めします。

・東京都内にご実家があり、特に帰省の予定がない方。
・ご家族が帰省してしまい、一人で家にいてもすることがないという方。
・朝早い電車や飛行機で帰らなければならないのだけど、目覚ましで起きる自信がない方(徹夜で行っちゃってください)。
・普段は後の予定があって徹夜の遊びなんてできないけど、たまには羽根を伸ばしてみたいという方。
・落語会出席の皆勤記録を止めたくない方。
・落語会の決死隊になりたい方(「蜘蛛駕籠」参照。でも、台風11号はまだ来ないかな)。

 あ、もちろん、落語を生で聴いたことがなくて、試してみたい方、にもお薦めですよ。

 そんなわけでお待ちしております。大人の遊び場、深夜寄席へいらっしゃいませ。

 すでに予約サイトは終了しておりますが、杉江宛にtwitter(@from41tohomania)かフェイスブック(https://www.facebook.com/mckoy.sugie)でメッセージをいただくか、メールアドレスを御存知の方はそちらでご連絡してくだされば予約料金でお入りいただけるように手配致します。

 会の詳細は以下をご覧ください。

時間:8月9日(土)25時(10日1時)開演(24時30分開場)
場所:
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「カリカキッチン」二階。階段を上がる)
「CAFE Live Wire (旧ビリビリ酒場)」
 TEL・FAX 03-6273-0430(「碌に為さんが惜しみゼロ」)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
https://go-livewire.com/theater.html

会費:当日3000円(予約2500円)、懇親会は別料金3500円をいただきます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

7/29の談志DNA落語会をこっそりと歴史に残しておきます

立川談志の元直門の二つ目3人が集結する「談志DNA落語会」は平日の夜にこっそり行われたのであった。
 いや、別に開催を秘密にしていたわけではないのだけど。

 現・立川龍志門下、泉水亭錦魚。現・立川談慶門下、立川平林。現・立川左談次門下、立川談吉。
 現在は元の兄弟子の門下に入って活動を続けている3人だが、元は談志直門である。落語界のルールとして、師匠につかずに存在できるのは真打以上の身分だけであり、二つ目以下はどこかの門下に入らなければ存在を認められないのである。立川談志に惚れてこの世界に入ったのだから、最後までその弟子でありたいという気持ちはそれぞれにあっただろうと思う。しかし、今はそれぞれの門下で第二の落語家人生を送っている。その3人に集まり、元談志直門の気概というものを見せてもらいたかった。
 特に談吉は、二つ目昇進を果たしたのが談志の死後である(生前に談志から許可を貰っていた)。死後最初の独演会で、高座を勤めた後、「俺は談志の弟子だ」と吠えたという。その思いを今も持ち続けているのか否か。

 平林は、談志がかなりの高齢になってからの入門で、途中まで「談志最後の弟子」と自認していた。談吉の入門によってその肩書きを譲り渡したのだが、くびきから解かれたことで思いはどのように変わったのか。それとも変わらなかったのか。

 錦魚は三人の中で最も入門が古く、あの歴史的事件にも遭遇している。当時の前座が全員「二つ目昇進の意志が見られない」という理由で破門を言い渡されたという2002年の「前座全員破門事件」だ(そのままだ)。このとき錦魚も破門を言い渡されたのだが、もっとも入門歴が浅かったため、談志からすぐに許されて復帰が叶った。しかし一旦破門にしたものをそのまま戻すのは都合が悪いということで、談志ではなく立川流一門の弟子ということで当時の前座名である談吉から談一に改名しての復帰になった(したがって直門の義務である上納金も免除されていた)。この中途半端な身分はしばらく続いたので、錦魚は自分が談志の弟子に正式復帰したのがいつか定かにわかっていないという。立川流の中でも特異な立ち位置を強いられていたことが、その後の芸に影響したのかしなかったのか。

 と、まあ、そんなことを私自身が知りたくてこの落語会を計画したのでありました。

 当日の演目は、各人に無理を言い「談志ゆかりの落語」を手がけてもらうことにした。
 以下の通りである。

 談吉 粗忽長屋
 平林 権助提灯

 仲入り

 錦魚 お化け長屋

 談吉は「今日は楽屋が頭の上がらない兄さんばかりで窮屈で仕方ない」とぼやきながら高座にやってきた。「粗忽長屋」は全盛期の談志が「主観長屋」と概念を変えて演じていた落語で、粗忽、うっかりではなくて思い込みの激しい男の話に改作した。人だかりのするところに八五郎がやってくると行き倒れ(死人)がいる。顔を見ると長屋の隣人で親友の熊五郎だ。もっとも熊とは朝に会ったばかりで、昨夜のうちからそこに倒れていた死人が彼であるわけはない。勘違いだと諭されるのだが、思い込みの激しい八五郎はとにかく本人を連れてきて死骸を引き取らせるから、と言い張って長屋に熊五郎を呼びに行ってしまうのである(ここで談吉は、談志お気に入りのフレーズだった『状況判断ができない者をバカという』を引用してみせた)。

 このあと長屋に帰った八五郎は、死んでいる気がしないと渋る熊を「お前は死んでいるんだ。死んだんだから自分の死骸を引き取らないといけないんだ」と説得する。同じ思い込みが激しい二人でも、八五郎は押しが強く、熊五郎は人がいい、という対比ゆえに起きる喜劇なのである。談吉は二人が親友だという点を強調してみせた。八五郎は「おめえといつまでも一緒に長生きしたかった」と泣き、熊五郎も「悪かったなあ、先に逝っちまって」と泣くのである。ここでほろりとするような感情の励起があった。「粗忽長屋」はほろりとさせることもできるというのは発見で、いい収穫となったのである。

 その談吉の後を受けて上がったのが平林である。平林は2011年以来安来節を踊ることにも熱心なのだが、その話題を枕に振って客を十分に笑わせた。病床の談志を見舞い、目の前で踊ってみせたというエピソード、安来節の全国大会に出て二年連続で決勝まで出たが苦杯を舐めたという話、いずれも「たっぷり」だったのだが、なぜかというと「談吉が十分早く降りてきてしまったからだ」との種明かしがあった。弟弟子をいじり、楽屋に向けて「ごめんね。ネタだからね」と詫びてみせる一幕もあって自由闊達である。

 自由闊達といえば本筋に入って話を始めたときに、「あ、一つ仕込みを忘れた」と後ろに戻って演じなおし、旦那の台詞で「頭の中で修正してうまくつなげてくれ」と言って笑わせた。このへんは噺の中で突如素に戻ることもあった談志の芸風を彷彿とさせる。ネタの「権助提灯」は、新しく妾を持った旦那の話である。本妻、妾いずれも相手を立てる。見かけ上は円満に収まっている関係なのだが、当然だが水面下で闘いは続いている。それが思わぬ形で顕在化してしまうという展開なのである。ある晩、旦那は本妻から「こんな日はあのこは一人ですから心細いでしょう、向こうに泊まってやってくださいな」と言われ、妾宅へ赴く。しかし妾は、それが本妻の差し金だと知って態度を硬化させ、お気持ちは嬉しいがそれでは女が立たない、と旦那を帰そうとするのである。お互い意地になって旦那を向こうに泊まらせようとする。旦那は気の毒に、家が二つもあるのにどちらに上がることもできずに行ったり来たりさせられる。談志はここを映画的なカット割りで演じてみせた。きりきり舞いさせられる旦那のさまが笑いを誘うのである。平林は談志演出を受け継いでテンポよく話した。

 最後の錦魚は、「この三人が揃うのは史上初のことで、今楽屋でも二回目をやろう、ということに相談がまとまりました……来世で」といきなり切り出した。枕の話題は次の談志は誰が継ぐかという話題に。三人候補がいるのだという。一人は惣領弟子である土橋亭里う馬、もう一人は最大の売れっ子である立川志の輔。そして三人目は最年少の談吉だ。おそらくは最後まで生き残るのは談吉だろうから、そのときに継ぐ可能性があるだろうという。
「もし私が生きていたら……全力で反対しますけど」
 と言って客を笑わせ、すっと「お化け長屋」に入った。

 長屋にみんなが物置のようにして使っている空き店がある。そこを借り手がつかないように、と相談がまとまり、誰が来ても追い返すから、と悪い役目を古狸とあだなされる杢兵衛が請け負うのである。杢兵衛は、昔その空き店で強盗殺人があったという話をでっちあげる。幽霊が出るから借り手がつかない、というのだが、豪胆な男がやってきてしまう。怖がらせようとする杢兵衛の演出をことごとくすかし、話にためをつけようとすると「てきぱきやれ」と茶々を入れる。この男にへこまされる、というところで「お化け長屋」の上は幕引きである。

 三席のあと、三人による鼎談会を行った。その模様は当日いらっしゃった方だけのお楽しみということで、非公開である。観客は、文字通り歴史の目撃者になっていただいたのであった。

 以降も立川流二つ目落語会は開催予定である。詳細は追って発表するので、ぜひご注目のほどを。

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 落語会の告知を一つ。
 立川談四楼が真の深夜寄席に挑む「オールナイトで談四楼」第4回は明日9日25時(つまり10日1時)からです。
 終電で来て始発で帰る大人の落語会、まだ空席はありますのでぜひお運びになってください。
 詳細、予約申し込みはこちら。
2014DanshirouAllNight4&5

7/29(火)は「談志DNA落語会」でお待ちしております。

立川談志の元直弟子三名の二つ目が集結する落語会、いよいよ二日後の7月29日に迫ってまいりました。
 まだ残席はございますので、みなさまふるってご参加ください。
 ただでさえ興味深い会ですが、出演者のみなさんと相談し、さらに二つの趣向を追加いたしました。

 その一、演目は立川談志ゆかりのネタに固定。

 演者三名が、それぞれ師匠・立川談志にゆかりのある演目を語ります。そこに込められた思い、そして噺に強烈に表れるであろう立川流の遺伝子を、どうぞ存分にご堪能ください。

 その二、師匠と自身の修業時代を語る座談会を実施。

 香盤は、若い順に立川談吉、立川平林、泉水亭錦魚と上がります。三演者の出番が修了した時点でもう一度高座に集まり、公開鼎談会を行う予定です。ここでしか聴けない師匠・立川談志のエピソード、弟子だけが知る立川流の歴史などについて、楽しいお喋りが繰り広げられるでしょう。おそらく今後しばらくは聴くことができない三者の鼎談だと思います。どうぞこの機会を逃さずにご参加ください。

 会の詳細、お申し込みはこちらまで。
 また杉江松恋のフェイスブックにも特設ページを準備してあります。

 それでは7月29日にお会いできることを楽しみにしております!

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7/5立川談慶独演会「談慶の意見だ」 「お見立て」「抜け雀」

以前から進めてきた立川談慶独演会の第一回である。先行している立川談四楼独演会は「真の深夜寄席」ということで洒落のわかる大人の社交場という意味がある。それに対しこちらは談慶さんが新しいことに挑戦していく「実験の場」だ。
 ファンを大事にする談慶さんらしく、大勢のお客が詰めかけてほぼフルハウスになった。

 以下は演目。演者はすべて立川談慶である(ここから敬称略)。

 絵手紙漫談
 お見立て

 中入り

 抜け雀

 事前告知で落語の他にもう一つ趣向がある、と謳っていたのがこの絵手紙漫談だ。談慶には絵手紙という特技があり、『談慶の意見だ』(信濃毎日新聞社)という著書もある。それを会場内のモニターにそれを一枚ずつ映写し、談慶がコメントをつけていくというもの。いわゆるフリップ芸を想像していただければいいと思う。
 今回は初めての試みということで手探り状態だったが、会場の反応もよく、これはいけるという感触をご本人も掴んだようだ。この落語会の名物になりそうなので、次回お越しいただく方はぜひ楽しみにしていただきたい。
 ちなみに会場では、絵手紙のセットも販売してみた。その一枚はこんなのである(談慶師撮影の写真を借用)。
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 中入りのときに「ASKA容疑者保釈記念です」と言ったら、よく売れた。

 さて本題の落語のほうだが、一席目は「お見立て」である。吉原には廻しという制度があり、一人の妓が一晩に複数の客をとった。均等に遊ばせてくれるわけではなく、当然客あしらいにも濃淡がある。気に入らない客であれば相手にされないこともあるわけだ。当然それには不満も生じようが、うまくしたもので文句を言うのは野暮だという殺し文句があった。金を払って振られていれば世話がないが、そういうものだったのだろう。
 ところがここに、金があって情もある客がいる。花魁の喜瀬川が「年季が明けたら夫婦になろう」と言った約束も無邪気に信じている。だがそれは真っ赤な嘘であり、当の喜瀬川はその杢兵衛大尽を蛇蝎の如く嫌っている。ある日ついに、その席に出るのが絶対に嫌だと言い出し、若い衆に適当な嘘をついて追い返してくれとだだをこね始めるのである(廻しがあるわけではなく、のんびりと煙草をふかしながらのわがままなのでなお始末が悪い)。その無理難題を担わされた若い衆が純朴だが自分の思いを遂げるまでは脇目もふらない杢兵衛大尽と花魁のわがままの間で困り果てる、という噺だ。

 本日は可愛らしい中学生のお客さんがいたもので、談慶はかなり言葉を選びながら噺に入っていった。冒頭に「これはストーカーをいかに封じるかという話だ」という演者の解釈があっての口演である。これが談慶の特徴で、自身の解釈をわかりやすく客に伝えるようにしている。師匠談志譲りの手法であるが、初めて落語を聴くようなお客にとっては、切れ目を入れて噺の構造を見せるような効果があると思うのでいいのではないか。もっともこの噺、いちばん好人物に見えるのはストーカーの汚名を着せられた杢兵衛大尽なのである。

 喜瀬川はとことん厚かましくしれっとしており、若い衆が追いつめられてどんどん疲弊していく。そのコントラストが本編の楽しみどころだろう。最後の落ちの仕込みがやや急ぎ気味に見えたが(杢兵衛大尽を連れて墓参りに行くくだりに落ちのネタを仕込むやり方なのだが、そこが少し早口であった)、他は問題なし。結構な一席であった。

 中入り後は「抜け雀」である。談志はやらなかった名人伝の一席で、五代目古今亭志ん生の得意ネタであった。東海道の小田原宿に汚い身なりをした男がやってくる。士分のようなのだが、明らかに一文無しなのである。当然宿屋の客引きは彼を無視するが、相模屋という宿屋の主が彼を招きいれてしまう(客が「わしに声をかける男がおったか。こういう(間抜けな)者が社会を下支えしておるのだな」と述懐するのがおかしい)。

 男は一文無しなのでしばらく酒ばかり飲んで暮らしている。宿屋の主は婿養子で女房に頭が上がらないのだが、ついに言い負かされて男に宿賃を貰いにいくことになる。男はそこで自分が一文無しであることを明かし、職業は画工であるので絵で支払うと言い出すのだ。そこにあった無地の衝立に五羽の雀を描き、一羽一両で五羽で五両だと宣言、自分が戻るまでこの衝立を売ってはならんと言い残して彼は上方へと向けて旅立って行った。この衝立の雀が、朝日を浴びると絵から脱け出し、外に餌をついばみに行くのである。評判を聞きつけた客によって相模屋はおおいに潤い、さらに小田原藩主までもこの衝立を見物にやってきて千両という高値をつけるに至る。そうやって左団扇で相模屋が浮かれているところに、今度は年配の男が訪れてくる。その男から相模屋は衝撃の事実をつきつけられるのだ。

 談慶が自家薬籠中のものにしている一席である。談慶の「抜け雀」は、まず相模屋がおかしい。彼はなぜか客引きをすると一文無しばかりを捕まえてしまうのである。女房曰く「うちは奇跡の旅籠って言われてるんだよ。ここ一年一文無しばかり泊めているから。それでなんとかなっているのが不思議だって」。なぜなんとかなっているのかというと、一文無したちが不思議に芸達者で、画工のように何かを残していくからである(画工の泊まった部屋の調度が一文無したちの置き土産だけで出来ている、というギャグが笑える)。この相模屋の亭主がキーマンで、画工が一文無しであったことを女房に告げるときに「あのお客はわかりやすく言うと、お客じゃなかった」とおそるおそる言ってみたり、衝立から雀が抜けだすことを近所に触れて回って「相模屋さん、ついにおかしくなっちゃった。あんなにおかみさんにやかましく言われてばかりじゃねえ」と同情されたり、おっちょこちょいで小心者で、自分の出来があまりよくないことを自覚しているという、愛すべきキャラクターである。

 さらに談慶は、この噺の隠しテーマとして「親子の情」を取り入れた。これは画期的な工夫だと思う。「自分たちに子供がないから、最近では雀たちが我が子のように感じられてきた」と相模屋が吐露するのがいい。彼は雀たちに「チュンの助」などとそれぞれ名前をつけて可愛がってもいるのだ。だからこそ後から訪れた老人に「衝撃の事実」をつきつけられると、雀たちが心配になってしかたなくなる。このエピソードが伏線となり、オリジナルの落ちにつながっていく。本来の落ちは旧くてよくわからないものだが、談慶の落ちは現代人の心の琴線にも触れるであろう、納得のいくものである。機会があれば、ぜひ聴いてみていただきたい。

 ちなみに今回わかったことが一つ。最初に登場する画工は江戸から上方へ向けて旅をしている。一文無しなので宿に泊まることもできず、おそらくは戸塚か藤沢あたりで前夜は野宿をしたのであろう(本人がそう言っている)。しかし江戸から小田原宿までは、昔の人であれば二日でたどり着くであろう距離だ。野宿をしたのも一泊きりである。つまり彼が汚いなりをしているのは旅の汚れではなくて、普段からそういう尾羽打ち枯らしたかっこうなのだ、と解釈すべきだと思う。その証拠に噺の終盤で西国から戻ってきたときは、長旅にもかかわらずぱりっとした装いなのである。そこまで疲弊した状態から長旅に出ようと決意したというのは相当のことがあったのではないかと考えられる。彼を江戸から追いやったものは何か、ということが私には気になった。

 終演後はいつもの通り宴会である。談慶さんはお客さんを大事にするので、とてもよい雰囲気の会となった。次回は9月13日(土)の開催、トリネタは「井戸の茶碗」に決定している。ぜひみなさんもお運びを。
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本日は立川談慶独演会「談慶の意見だ」開催日です!

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 今週はあんまり落語会行ってないなーと思ったけど、その欲求不満を解消させていただきます。
 トリネタは「抜け雀」。他に落語2席+αの予定ですが、談慶さんは他でお客さんがあまり見たことがない落語会をお見せしたいと意気込んでいるので、どんなことになるのか楽しみです。
 私はいつもどおり定位置の下足箱前におりますので、ご用の方はお気軽に声掛けください。

 ちなみに、レイアウトをいじればまだ当日券は出せると思います。急に予定が空いた、落語が聴きたくなった、という方は新宿五丁目ビリビリ寄席へいらしてください。

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