ZBrush

ZBrush猫(3) プロポーションこそがモデリングのキモ~GoZでmaxと行ったり来たり~

猫のモデリングをしていて痛感したのは「いかに自分が猫を知らないか」という事でありました。

知ってるつもりでいても、いざ描こうとすると手が止まって動けない。知らない分かってないってことが露呈するわけです。
で、とにかくまずは猫を知らなければ、ということで、ググったり本を読んだりして資料を集めました。
(ホントは現物に触れるのが一番なんでしょうが…つくづくウチのヤツが生きてる間にもっとモデルになって貰っとけば良かったなぁ…と思っても後悔先に立たず…(ノ_;)

Googleの画像検索は言うに及ばず、色んなサイトから情報を頂きました。とりわけお世話になったのはこの2か所。

また書籍については、以前から所蔵してたものや新たに入手したもの、図書館で借りたものなど。
動物の描き方動物画の描き方―生き生きと描く秘訣美術のためのシートン動物解剖図An Atlas of Animal Anatomy for Artists (Dover Anatomy for Artists)Atlas of Topographical Anatomy of the Cat (Atlas of Topographical Anatomy of Domestic Animals)カラーアトラス獣医解剖学〈上巻〉カラーアトラス獣医解剖学〈下巻〉新イヌとネコの臨床解剖カラーアトラスAnimal Anatomy for Artists: The Elements of Form

ぶっちゃけ美術解剖学的な部分については、同じ哺乳類だし人体解剖学の応用で何とかなるじゃろ、と高を括っていたところがあったのですが、同じ哺乳類であればこそ人体との違いがドコにあるのかが分かってないと、猫にありえざる特徴を持ったヒトモドキ猫なんてものを描きかねないわけで、色々と勉強にはなりました。


しかしながら、いくら資料集めて注意深く細部を描き込んでも、どうしてもしっくり来ません。
この段になってようやく気付いたのは、結局見た目にそれらしく仕上げるために重要なのは、細部よりも全体のフォルムやプロポーションが対象の特徴をきちんと捉えているかの方だということ。

たとえば、今モデリング中のブツの輪郭だけ取り出してシルエットとして塗り潰した時、一目でそれが猫だと分かるか?…とやってみたら、何だかよく分からない四足動物が浮かび上がってきました。
00silhouette
なるほどワシはぬこ様の全体像すら掴んでないまま、微細な部分部分ばかりをセコセコといじくり回していたのだなぁ…と痛感。
(私がZSphereからのモデリングを苦手にしてるのも、このあたりのことと関係してるかもしれません。
ZSphereでベースメッシュ作るとどうしてもプロポーションがおざなりのところからのスタートになります。
モデリングしながらグイグイとプロポーションも修正してけば済む話なんですが、どうもそうした全体の造形を俯瞰するマクロ視点と、細部へ向かってフォルムを付け足したり削ったりするミクロ作業とを切り替えながらバランス取るのが下手クソらしいです私。)

そこからプロポーションの作り直しが延々と始まりました。
cat_proportion
当初はZBrush内で、Subdivision Levelを一番下まで下げてから、直径を広げたMoveブラシを使って各パーツを引っ張ったり詰めたりしながら調整してたのですが、これが結構やりづらい。

もっと全体を方眼みたいに区切った上で、各マス目をグイグイ動かすようなやり方でフォルム全体をダイナミックに調整したい…と、そこで思い付きました。
maxのラティス変形機能=FFD(Free Form Deformation)モディファイヤってそのものズバリやん。」
cat_model_FFD

ZBrushには、メジャーどころの3Dアプリ(現ver.4R6時点で対応アプリはMaya, max, Cinema4D, Modo, Photoshop, Poser, Sculptris)との作業連携を図るため、GoZというプラグイン機能が(現在はデフォルトで)組み込まれています。このGoZが優れモノで、

  1. 対象形状のSubToolを選んでおいてTool>GoZボタンをポチると、たちまち連携先のアプリに対象SubTool(の一番低いSubdivisionレベル)がポリゴンメッシュ・オブジェクトとして転送される
  2. 転送先のアプリであんなコトこんなコトした後に…
  3. 今度はZBrushに向けて再度GoZすると、変形結果が取り込まれて元のSubToolが更新される

…という段取り。
GoZは対象オブジェクトのUVマップ情報も授受出来ますから、ZBrushで塗ったPolypaintをベイクしてテクスチャをmaxに持ってくことも出来ますし、再度ZBrushに戻った後もテクスチャはそのまま使えます。
実にシンプルな操作で、他アプリを事実上ZBrushのプラグインみたいに使役することが可能です。

斯くして我が猫モデル殿は好き放題にプロポーション変更の実験に晒されたのですが、色々とやってる間に気付いたのは、どうも私の頭の中にある猫のイメージよりも実際の猫は胴長短足みたいですね。
頭部の体全体に対するバランスも(後々ファーを生やした時ボリュームが膨らむ分を差し引いて小さめに作っておかなければならない、という理由もあるのですが)思ってた以上に小さいです。


このGoZを一度使ったら私はもう病み付きになりまして、ZBrushではやりにくい操作が必要になったらすかさずGoZでスコーンとmaxに移動して、あんなコトやこんなコトが終わったらスコーンとZBrushに戻って何事も無かったかのようにスカルプティング作業を続ける、というようなワークフローが今ではすっかり身に沁み込んでおります。

ZBrushは潔くスカルプティングに特化した変態アプリですから、通常の3Dモデラーみたいなポリゴンの切った貼ったやトポロジーを部分的に変更するような操作は極めてやりにくいです。
そうした操作が必要な際には別にGoZでなくImport&Exportでも何でもやらかして、maxだろうと何だろうとご自分の手慣れた外部アプリと連携させるのが宜しいんじゃないでしょうか。
hidamari
うぅむ後頭部のファーが毛羽立ち過ぎて輪郭を崩してるな…