〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・ぢどり家」の左、階段を上がる)<地図> TEL 03-6273-0430
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
平日650円均一(サラダバー&コーヒー無料)ランチ営業中。
ビーフシチューセット、Biri−Biriカレー (+日替わり)
←新メニュー:Ikana-Goラーメン(「いかなご」ベースの、節も魚粉も使わない全く新しい第三の魚系ラーメン/一日10食限定)
【会場】Live Wire 「ビリビリ酒場」新宿(←地図はこちらをクリック)
東京都新宿区 新宿5丁目11-23 八千代ビル2F
・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6~8出口から徒歩5分
・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分
※Live Wire専用にオープンする新しいホームグラウンドです。
【開場】19:00〜 【開演】19:30〜
【出演】北村薫(小説家)安藤恭一(仲川忍)(書評家)
【来賓】戸川安宣(元・東京創元社)
【入場料】前売り¥1500-
当日券:500円up
※店内での飲食代は別途となります。
←チケットご購入の方はこのバナーをクリックしてください。
1989年、北村薫のデビュー作『空飛ぶ馬』(東京創元社)の刊行はミステリ界を大いに震撼させた。
殺人がひとつも起こらない「日常の謎」を解き明かす落語家・円紫師匠のロジックの素晴らしさに加え、語り手・女子大生の“わたし”の飄々とした語り口 に、本格ミステリファンはがっちりハートを鷲掴みされてしまったからだ。加えて覆面作家であった北村氏の正体が、ファンにとって甘美な謎かけとなった。い つしか“わたし”の繊細な心理描写は男には書けるわけがないという「北村薫女性説」が巻き起こり、それに便乗した故・鮎川哲也氏がまことしやかな目撃談で 煙幕を張るなど、作品への興味をさらに引き立てる幸福なフィーバー状態が数年続いた。(後に1993年『夜の蝉』で推理作家協会賞を受賞した際、公立高校 教師の男性であることが公表され、“北村薫の謎”を巡る騒動は鎮静を見たわけではあるが…。)
そんな騒動をご記憶のオールドファンでも、実は“ミステリー作家・北村薫”がデビューする以前、すでに“名無し”の匿名ライター活動時代があったことを知る人は、さすがに少ないのではないだろうか?
ワセダミステリクラブ所属の学生時代から北村氏のその豊富な知識と筆の冴えは業界でも知られており、その伝手で、日本ミステリ史に残る名ガイドブック 『東西ミステリベスト100』(1986年版・文藝春秋社)の作品紹介や、『日本探偵小説全集』(東京創元社)の編纂などに携わっていたのである。
この“作家・北村薫”へとつながるミッシングリンク期の仕事が、12月発売のエッセイ集『読まずにはいられない ―北村薫のエッセイ―』に収められてい る。兼業であったためは分量は少ないが、初めて覆面を脱いだ形でリプリントされたものを読んでみると、当時の北村氏の本格ミステリへのたぎるような思い が、匿名の行間からもふつふつと立ち昇るように感じられる。この熱意の集積が、あの静謐な円紫シリーズの諸作へと結晶していくのかと思うと、今読んでも非 常に味わい深い。
今回のトークではこの時代を最もよく知る、ワセダミステリクラブ時代の盟友・安藤恭一氏(筆名・仲川忍でハヤカワミステリマガジンの書評も担当)をゲストに、瀬戸川猛資、折原一、藤原龍一郎 山口雅也など、各氏との交流、二人の語るあの頃、鮎川哲也訪問記 など 内容は盛りだくさんとの予定。また北村さんの知識と才能を見込んで『日本探偵小説全集』という大事業を依頼した、東京創元社の戸川安宣氏も来賓として来場 予定。
昨年12月にお送りした「泡坂妻夫引退興行」のトークでも、ゲストに来ていただいた北村さんのミステリへの愛と造詣の深さにはあらためて驚かされたが、 『日本探偵小説全集』の編纂者であったと言われれば、当然のことのように思える。昨年新版が刊行された『東西ミステリベスト100』にしても、この四半世 紀の間、ミステリファンの読書指南書として読み継がれてきた名著であり、「名無しのミステリライター」時代の北村さんの活動がミステリファンに寄与したも のは非常に大きい。
まさに日本ミステリ史の隠された一ページをめくる夜となるだろう。
是非「聞かずにはいられない」皆さんのご来場をお待ちしています。