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なぜ「ラーメン職人」は作務衣を着るのか?
いまや「国民食」となったラーメン。その始まりは戦後の食糧不足と米国の小麦戦略にあった。“工業 製品”として普及したチキンラーメン、日本人のノスタルジーをくすぐるチャルメラ、「ご当地ラーメン」に隠されたウソなど、ラーメンの「進化」を戦後日本 の変動と重ね合わせたスリリングな物語。(書籍紹介文より)
ラーメンは今や日本人のソウルフードの一つと言ってもいいだろう。
空前の出版不況の最中、ラーメン特集の雑誌や特集本は堅調に部数をさばき、評判の新規店があれば、どんな猛暑でも極寒の冬でも、“ラーメン者”が行列を作る。なぜ、日本人はこんなにラーメンを愛するようになったのか? 漠然としながらも、なかなか腑に落ちる事なかったこの“日常の謎”に対して、文化人類学的な切り口で大胆な考察を施したのが速水健朗さんの『ラーメンと愛国』だ。
ご多分にもれず僕の心にも、一杯のラーメンを作るために心血を注ぐ“頑固一徹の主人”のにストイックなイメージが焼き付いていたりするのだが、それが実はテレビに作られた幻想だったのではないかという本書の問題提起には、かなりドキドキしてしまう。
ラーメンという身近な存在を通して、速水さんのクールな思考と視点は、何事にも大政翼賛的に煽られやすい僕ら日本人の、シリアスで居たい癖に、実は軽佻浮薄でしかないメンタリティを浮かび上がらせたのではないだろうか。“たかがラーメン”の一杯に、過剰な希少性や求道性を求める“ラオタ(ラーメンオタク)”の心の有り様などは、確かに言われてみれば、先の戦争での愛国者たちの前のめりさを思わせる。
そんな問題提起にいち早く反応したのが、我らがLive Wireブックナビゲーター杉江松恋。
本書が凡百の“ラーメントリビア本”などではなく「ラーメンという一食文化の話」を通して「マスメディアの進展と、この新しいナショナリズムの発生」の関係を描いた本であると豪速球の書評で紹介している。
今年は特に、3.11東北大震災&福島原発事故という大きな事件が社会を揺さぶったこともあり、多くの人がイデオロギーを問われては、右向け右、左向け左と、文字通り右往左往する姿を見た。そんな一年の終わりに、僕らの“真面目おっちょこちょい”な気質について、速水&杉江の慧眼コンビと一緒に考えてみたいと思う。
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