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[#155] 2013年02月11日(月)

シリアを闊歩する「戦場の見学者」
世界で最も有名な“ニッポンのトラック野郎”Toshifumi Fujimotoとはナニモノか?

toshifumifujimoto 中島麻美安田純平常岡浩介
 現在、内戦状態のシリアは取材が最も難しい場所だ。
 だが、そのどまんなかに潜入、『アル・ジャジーラ』『アル・アラビーヤ』など中東メディアに多くの映像を提供する、ある日本人がいる

 彼の名前は藤本敏文、本業は神戸のトラック運転手。媒体で取材のイロハを学んだ“プロフェッショナル”ではない。

 一介のアマチュアが、日本のメディアはもちろん歴戦の外国人記者たちですら入り込めない激戦の内懐に飛び込み、そこに住む人々の様子を映像に収めて来る。これは驚くべきことだ。いわゆる“取材”の文脈で撮られたフォーマルなものではないが、現場に溶け込んで撮った彼の映像からは、プロ垂涎のリアルな「戦地」の空気感が伝わってくる。また、おそらくは無意識にフレームに収めたであろう「絵」のそこかしこに、シリアの現状が読み取れる重要な「情報」が写っていたりするのだ。


 藤本氏のシリア潜入は既に三回を数える。

 しかし彼にとって、それは「取材」ではないらしい。あくまで、これは単なる「旅行」だと言って憚らない。 

 それだけでも驚くべきことなのに、「戦場カメラマン」を持て囃す日本のメディアは、彼の存在について全く取り上げようとしない。既に海外では『ワシントン・ポスト』を始め数々の媒体が彼の存在を取り上げ話題にしており、Facebookの彼のページには英語で称賛の言葉がずらりと並ぶ。しかし、祖国・日本では世界での反響とは裏腹に、全く無名。それどころか、彼の撮った映像を使う会社はどこにもない。なぜ? 

 本業のジャーナリスト以上に修羅場を踏み、数々の驚くべき映像収録をこなしてきたこの「旅行者」と、いわゆるプロの「取材者」の違いは一体なんなのだろう? 

 ならば直接聞いてしまえということで、この驚くべき“ニッポンのトラック野郎”藤本さんをLive Wireにお招きします。 


 昨年、同じくシリアで2週間の現地取材に成功した安田純平、そして自身も現地で拘束されたり誘拐されたりしながらも現地取材にこだわるフリー記者・常岡浩介とともに、「藤本敏文がみたシリア」を整理してまとめます。 

みんな! 現場に行ってきた人の話をもっと聞こう!  

(中島麻美)  

[日時] 2013年02月11日(月) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#154] 2013年02月8日(金)

杉江松恋の人知れば好奇心#1
「清涼院が動いた!新プロジェクト〈BBB〉とは何か?」

ryusui 清涼院流水が日本の出版界を救うために立ち上がりました――行くぞ〈BBB〉!

1990年代のはじめに巻き起こった〈新本格〉ブームは、ある人物を小説界へと招き寄せました。清涼院流水、10代のころはゲームクリエイター志望だったという彼は、1996年に『コズミック』で第2回メフィスト賞受賞を果たし、小説家としてデビューします。
その作風は、ミステリーというジャンルの許容度を試すような挑戦的なものでした。さまざまな試みが作中で行われ、多くの読者の記憶に消しがたい痕跡を残していきます。彼の〈流水大説〉に刺激を受けた読者は数限りなく、ミステリーというジャンル自体が大きな影響を受けました。

デビューから17年。現在の清涼院流水はまた新たなことに挑戦しています。不況の話題がまるで天候の挨拶のように関係者の間で交わされるようになった時代に、明るい未来を拓こうとしているのです。かつての革命児はまだ走り続けています。

〈英語×電子書籍〉。

このたび清涼院流水は日本の小説を英訳し、電子書籍の形式で販売するという事業を開始しました。日本発のエンターテインメントの素晴らしさを信じ、それを世界に広めたいと願う男の新しい挑戦です。

プロジェクト〈BBB〉は、


一点突破 Breakthrough する

先頭集団・人気者集団 Bandwagon の

本たち Books 

の略称だそうです。

彼が何をしようとしているのか。どんなことになるのか。私は関心があります。
あなたもある? よし、では聞きにいらしてください。
清涼院流水がすべてを語ります。

(杉江松恋)

[日時] 2013年02月8日(金) 開場 19:00 開始 19:30
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#153] 2013年02月2日(土)

『読まずにはいられない』(新潮社)刊行記念トーク
「北村薫ができるまで」

北村薫2  1989年、北村薫のデビュー作『空飛ぶ馬』(東京創元社)の刊行はミステリ界を大いに震撼させた。

  殺人がひとつも起こらない「日常の謎」を解き明かす落語家・円紫師匠のロジックの素晴らしさに加え、語り手・女子大生の“わたし”の飄々とした語り口 に、本格ミステリファンはがっちりハートを鷲掴みされてしまったからだ。加えて覆面作家であった北村氏の正体が、ファンにとって甘美な謎かけとなった。い つしか“わたし”の繊細な心理描写は男には書けるわけがないという「北村薫女性説」が巻き起こり、それに便乗した故・鮎川哲也氏がまことしやかな目撃談で 煙幕を張るなど、作品への興味をさらに引き立てる幸福なフィーバー状態が数年続いた。(後に1993年『夜の蝉』で推理作家協会賞を受賞した際、公立高校 教師の男性であることが公表され、“北村薫の謎”を巡る騒動は鎮静を見たわけではあるが…。)

 そんな騒動をご記憶のオールドファンでも、実は“ミステリー作家・北村薫”がデビューする以前、すでに“名無し”の匿名ライター活動時代があったことを知る人は、さすがに少ないのではないだろうか?

 ワセダミステリクラブ所属の学生時代から北村氏のその豊富な知識と筆の冴えは業界でも知られており、その伝手で、日本ミステリ史に残る名ガイドブック 『東西ミステリベスト100』(1986年版・文藝春秋社)の作品紹介や、『日本探偵小説全集』(東京創元社)の編纂などに携わっていたのである。

 この“作家・北村薫”へとつながるミッシングリンク期の仕事が、12月発売のエッセイ集『読まずにはいられない ―北村薫のエッセイ―』に収められてい る。兼業であったためは分量は少ないが、初めて覆面を脱いだ形でリプリントされたものを読んでみると、当時の北村氏の本格ミステリへのたぎるような思い が、匿名の行間からもふつふつと立ち昇るように感じられる。この熱意の集積が、あの静謐な円紫シリーズの諸作へと結晶していくのかと思うと、今読んでも非 常に味わい深い。

 今回のトークではこの時代を最もよく知る、ワセダミステリクラブ時代の盟友・安藤恭一氏(筆名・仲川忍でハヤカワミステリマガジンの書評も担当)をゲストに、瀬戸川猛資、折原一、藤原龍一郎 山口雅也など、各氏との交流、二人の語るあの頃、鮎川哲也訪問記 など 内容は盛りだくさんとの予定。また北村さんの知識と才能を見込んで『日本探偵小説全集』という大事業を依頼した、東京創元社の戸川安宣氏も来賓として来場 予定。

 昨年12月にお送りした「泡坂妻夫引退興行」のトークでも、ゲストに来ていただいた北村さんのミステリへの愛と造詣の深さにはあらためて驚かされたが、 『日本探偵小説全集』の編纂者であったと言われれば、当然のことのように思える。昨年新版が刊行された『東西ミステリベスト100』にしても、この四半世 紀の間、ミステリファンの読書指南書として読み継がれてきた名著であり、「名無しのミステリライター」時代の北村さんの活動がミステリファンに寄与したも のは非常に大きい。

 まさに日本ミステリ史の隠された一ページをめくる夜となるだろう。
 是非「聞かずにはいられない」皆さんのご来場をお待ちしています。

[日時] 2013年02月2日(土) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#152] 2013年02月1日(金)

杉江松恋のガイブン酒場#3
「杉江松恋が申しております。もっと海外文学について、くわしくなりたいな、と」Vol.3

sugie4.5  世界には(自分の)まだ見ぬ強豪がたくさんいる、ような気がする。でも、今の自分にはそれらを受け止めるだけの力がまったくない……。

 そんな思いに駆られるようになったのはここ数年のことです。まだ見ぬ強豪、すなわち世界の 優れた小説家たち。私、杉江松恋はミステリーという小説の一ジャンルに自身の活動範囲を限定してきたライターです。もちろんそれ以外の分野でも読書はして きましたが、胸を張って「本読みです」と言えるレベルではありません。

 でも、それでいいんじゃないの?

 自分対世界の小説の闘いで自分が負けるのって、当たり前のことなんじゃないの? だって、自分が「小説」を知っているなんておこがましい言い草なんだから。小説って圧倒的に大きくて、素晴らしくて、時には人を打ちのめしてしまうものなんじゃなかったっけ。

 そう思ったとき、私は一つの決意をしました。

 よし、一からやり直すつもりで最先端の外国文学を読もう。

 このイベントは、そんな気持ちで前月から開始しました。手っ取り早く言えば、外国文学の最 新情報をお知らせするイベント。翌月以降に出る外国文学を他に先んじて読ませていただき、そのどこがおもしろかったのかをイベントに来られたお客さんに言 葉で伝えるというものです。もちろん杉江は外国文学という分野では門外漢もいいところですから、いろいろ間違ったことも言うでしょう。それを正すために、 各社の編集者の方などにお越しいただき、助言をしていただきます。ぜひ会場に来て、杉江と一緒に外国文学の楽しさを学んでいきませんか?

 採り上げる作品は後日発表の予定。

 今回から参加費を1000円に値下げします。より参加しやすくなったガインブン酒場、どうぞお楽しみに。

(杉江松恋)


※河出書房新社、新潮社、白水社、早川書房が、このイベントにご協力をくださっています。

第一回の模様をUSTREAMで無料公開しています。
http://www.ustream.tv/recorded/27648541

[日時] 2013年02月1日(金) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#151] 2013年01月25日(金)

山本弘のSF&トンデモNight #18
「あなたの知らないマイナー特撮の世界part1」

山本弘  『ウルトラマン』や『仮面ライダー』や『ゴジラ』ばかりが「特撮」じゃない!
 一世紀以上に及ぶ特撮の歴史の中には、一般にほとんど存在を知られていない作品、よほどの特撮マニアでさえ言及することの少ない作品が山ほどあるのです。
 今回は特撮を深く愛する山本弘が、やはり特撮マニアの友人・鋼鉄サンボ氏をゲストに迎え、そうしたマイナーな特撮作品の魅力を徹底的に語り尽くします。
 『月世界の女』『世界大洪水』などの戦前の映画、『スーパーマン』『遊星王子』などのテレビ黎明期の番組、『原潜シービュー号』『スパイキャッチャーJ3』などの60年代の番組、そして『トリプルファイター』『魔神ハンターミツルギ』『流星人間ゾーン』『恐竜大戦争アイゼンボーグ』などの70年代の番組に至るまで、歴史の闇に埋もれた作品の歴史的再評価や、作品の生まれた時代背景、特撮シーンの見どころなどを紹介しつつ、愛にあふれるツッコミを入れまくります。
 炸裂する濃い話題の数々に、あなたはどこまでついてこれるか!?

[日時] 2013年01月25日(金) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] 紅鶴(べにつる)

大阪市中央区千日前2-3-9 『レジャービル味園』2F

南海なんば駅より南海通り東へ180m

駐車場有
最初の1時間:200円(AM10:00〜AM0:00)
以降30分毎:200円
※AM0:00〜AM10:00の間は1時間毎に100円となります。

[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#149] 2013年01月19日(土)

最速!海外ミステリ・スニークプレビュー#1

スニークプレビュー  最近、海外ミステリの新刊書評が足りなくないですか?
 雑誌から書評コーナーの数が減少しつつある今、海外ミステリ小説のレビューはネット上を含めてもほんの一握り。しかも「新刊」といっても、刊行から1、2ヶ月経った作品の紹介であるのが大半だったりします。

 「もっと海外ミステリの情報が欲しいんだけど……」
 「これから出る予定の面白い本、早く教えてちょうだい!」

 そんなミステリ読みの皆さんの渇望にお答えして、どの媒体よりも早く、そして楽しく新作ミステリの情報をお届けするイベントを始めます。

 名付けて、「最速!海外ミステリ先読みスニークプレビュー」

 出版各社のご協力で、翌月発行予定の翻訳ミステリのゲラ刷りをお借りできることになりました。売り出し中の若手書評家を案内役に、話題作をどんどんレ ビューしていきます。今回の発起人である杉江松恋氏が開催する、海外文学先読みイベント「ガイブン酒場」の弟分的な感じでしょうか。

 開催は月一回の予定。土曜の午後、Biri-Biri酒場で開催されるミステリ関連のイベントの前座的な感じで催します。価格はコーヒーかお茶付で 500円。休日の午後、ミステリ好きが最新情報の交換に集まる、気楽なお茶会になればいいなと思います。(さらに、夜の本番イベントにご参加の方は、ノー チャージでご入場いただけます)


 今回、採り上げる予定の作品は、


  厭な物語』(文藝春秋)
 『あの夏、エデン・ロードで』グラント・ジャーキンス(新潮社)
 『極夜 カーモス』ジェイムズ・トンプソン(集英社)
 『遮断地区』ミネット・ウォルターズ(東京創元社)
 『子鬼の市』ヘレン・マクロイ(東京創元社)
 『護りと裏切り』アン・ペリー(東京創元社)
 『夏を殺す少女』アンドレアス・グルーバー(東京創元社)
 『ようこそグリニッジ警察へ』マレー・デイヴィス(早川書房)


 第一回のお当番書評家は、『ミステリマガジン』のレビュー担当中ーーペンネーム「挟名紅治」(読みにくい!)改め、若林“踏んだり蹴ったり”踏(ふ み)。聞き手は今回のイベント発起人にして、書評サイトBookJapanの発行人・杉江松恋が努めます。脇の甘い紹介にはビシバシ愛のムチを飛ばし、上 手に本の魅力を伝えた時には、ご褒美に「うまい棒」をくれる鬼の門番役です。
 各社担当編集者の方もお招きしてありますので、情報面のサポートもばっちり。さらに2月以降の各社刊行予定、ただいま翻訳中の作品情報などもご紹介します。

 土曜の午後のひとときを、海外ミステリ好きのオアシス「スニークプレビュー」でお楽しみください。

[日時] 2013年01月19日(土) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[#144] 2012年12月22日(土)

山本弘のSF&トンデモNIGHT in 東京
『UFOはもう来ない』発刊記念トーク

山本弘  毎月、大阪なんば紅鶴で行なわれている人気企画「山本弘のSF&トンデモNight」が東京に進出!

 星雲賞受賞SF作家・山本弘が、クラシックSFや怪獣やプラモやトンデモ本や超能力番組や女ターザンなど、マニアックな話題をひたすら熱く語るというイベント。今回は新作のファースト・コンタクトSF『UFOはもう来ない』(PHP研究所)出 版を記念して、SFの歴史とUFOの関係、いかがわしくも楽しいUFO話、テレビのUFO番組の噓、そして地球外知的生命体の可能性や、これからのSFに おける異星人の描き方についてのシリアスな話題に至るまで、SFとUFOと異星人にまつわる多彩なネタをノンストップで喋りまくります。

 師走の夜を濃密な2時間でトリップしてください。

[日時] 2012年12月22日(土) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#146] 2012年12月20日(木)

21世紀冒険小説復興委員会#1
月村了衛x香山二三郎 「機龍警察」のルーツを探れ!

機龍警察暗黒市場 http://img05.shop-pro.jp/PA01016/495/product/51698733_o1.jpg?20121116192446 http://img05.shop-pro.jp/PA01016/495/product/51698733_o2.jpg?20121116192044

 今年もミステリ・SF系トップ10が出揃う。その両方のジャンルでランク入りしそうな勢いなのが、月村了衛「機龍警察・暗黒市場」だ。シリーズ前二作が警察小説とSFのハイブリッド作品として高く評価され、今や両ジャンルで注目作家となった。
 
 今作ではロシアン・マフィアと機龍警察の暗闘、謀略のプロフェッショナルたちがそれぞれの信念を賭けて戦う姿が描かれており、その重厚な筆致はかつての ル・カレ、マクリーン、ヒギンズら「冒険スパイ小説」の系譜に連なるものを感じさせる。聞けば、氏はファン時代、SF、ミステリーだけでなく、冒険小説を ガッツリ読みまくった時代があるとのこと。実は彼こそ、待望久しい日本冒険小説界の新エースと言ってもいい存在なのかもしれない。
 
 さまざまなエンターテイメントジャンルを貪欲に吸収し、世界レベルの傑作を紡ぎ続ける月村氏のルーツを探りつつ、これからの機龍警察シリーズがどこに向かうのかを、ミステリ評論家・香山二三郎さんがじっくり聞きます。

[日時] 2012年12月20日(木) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#143] 2012年12月18日(火)

ミステリ酒場
「ジェフリー・ディーヴァー酒場」


[日時] 2012年12月18日(火) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#140] 2012年12月13日(木)

『泡坂妻夫引退公演』(東京創元社)発刊記念トーク
「泡坂妻夫追善公演」
〜からくりの輪舞・ぼくらの愛したマジシャン〜

Blar
『よき嘘恋すも粋こそうき世』(泡坂妻夫)

先日、単行本未収録の貴重な作品を網羅した、おそらく最後となるの作品集『泡坂妻夫引退公演』(東京創元社)が刊行され、改めてその偉業が見直されている泡坂妻夫。かつての本格推理衰退期、探偵小説専門誌『幻影城』を舞台に、亜愛一郎を主人公とする傑作短編を発表。『11枚のとらんぷ』『乱れからくり』 『喜劇非奇劇』など、奇想と逆説と趣向に淫した長編の数々は、多くの本格ファンの渇きを癒し、現代に連なる隆盛の基礎を作った。 今回のLiveWireでは、『引退公演』の編纂に当たった新保博久と、常々泡坂作品へのリスペクトを表明してきたミステリ作家・北村薫をゲストに迎えて、その作品世界の魅力を改めて探る。聞き手はミステリ評論家・福井健太。

1997年日本推理作家協会設立50周年を記念して行われた文士劇「ぼくらの愛した二十面相」の映像を上映する予定。赤川次郎、大沢 在昌、北方謙三、京極夏彦、馳周星、東野圭吾、船戸与一といった綺羅星の如きのラインナップのこの舞台で、泡坂さんは堂々「泡坂妻夫そして魔術師」役で登 場。お得意のマジックを披露して拍手喝采を浴びている。
 
権利関係上、USTREAM放送はできないので、このシークェンス鑑賞はご来場の方の記憶にのみ留めていただくことになりそうだ。(ちなみに北村氏もこ の劇に「春桜亭円紫」役で登場している。)映像関係では、さらに2008年に元・幻影城編集長(現在台湾在住)島崎博氏来日時のお宝映像も公開予定。 1999年に怪の会編纂で自費出版された、200部限定の 泡坂妻夫事典『エンサイクロペディア アワサカナ』(3500円)の在庫が若干数発掘されたそうなので、こちらも会場販売予定。 推理小説のみにとどまらず、奇術、紋章上絵師、とさまざまな顔を持った稀代のトリックアーティスト・泡坂妻夫を偲ぶ一夜。

[出演] 新保博久(「泡坂妻夫引退公演」編纂・ミステリー評論家)福井健太(ミステリー評論家) [スペシャルゲスト] 北村薫(作家)

[日時] 2012年12月13日(木) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#138] 2012年12月7日(金)

Friday松恋:ガイブン酒場#2
「杉江松恋が申しております。もっと海外文学について、くわしくなりたいな、と」Vol.2

杉江松恋  世界には(自分の)まだ見ぬ強豪がたくさんいる、ような気がする。でも、今の自分にはそれらを受け止めるだけの力がまったくない……。

 そんな思いに駆られるようになったのはここ数年のことです。まだ見ぬ強豪、すなわち世界の 優れた小説家たち。私、杉江松恋はミステリーという小説の一ジャンルに自身の活動範囲を限定してきたライターです。もちろんそれ以外の分野でも読書はして きましたが、胸を張って「本読みです」と言えるレベルではありません。

 でも、それでいいんじゃないの?

 自分対世界の小説の闘いで自分が負けるのって、当たり前のことなんじゃないの? だって、自分が「小説」を知っているなんておこがましい言い草なんだから。小説って圧倒的に大きくて、素晴らしくて、時には人を打ちのめしてしまうものなんじゃなかったっけ。

 そう思ったとき、私は一つの決意をしました。

 よし、一からやり直すつもりで最先端の外国文学を読もう。

 このイベントは、そんな気持ちで前月から開始しました。手っ取り早く言えば、外国文学の最 新情報をお知らせするイベント。翌月以降に出る外国文学を他に先んじて読ませていただき、そのどこがおもしろかったのかをイベントに来られたお客さんに言 葉で伝えるというものです。もちろん杉江は外国文学という分野では門外漢もいいところですから、いろいろ間違ったことも言うでしょう。それを正すために、 各社の編集者の方などにお越しいただき、助言をしていただきます。ぜひ会場に来て、杉江と一緒に外国文学の楽しさを学んでいきませんか?

 なお今回から河出書房新社、新潮社、白水社(今月はお休み)に加えて、早川書房もこのイベントに協力をしてくださることになりました。

 採り上げる作品は河出書房新社よりデイヴィッド・ミッチェル『クラウド・アトラス』、早川書房よりジョナサン・フランゼン『フリーダム』の予定です(新潮社は未定)。

 また開催日も火曜日から金曜日に移動します。より参加しやすくなったガインブン酒場、どうぞお楽しみに。(杉江松恋)

[日時] 2012年12月7日(金) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[#136] 2012年11月25日(日)

ミステリ酒場Special
『東西ミステリーベスト100』(2012年版)は、実は恐るべき革命の書なのだ!

東西ミステリベスト100  毎年、年末になるとミステリー畑には「祭り」の空気が蔓延する。
 いわゆるその年の「ベスト10」が出揃い、書店店頭がミステリー本に溢れかえる光景は、既に皆様お馴染みのものだろう。

 しかし、年間ベストには大きな陥穽がある。
 「今年一年」という期間の縛りだ。

 同じ期間限定システムを取る新人賞や文学賞などの例を見ればわかることだが、一位に選出された作品を並べていくと、同じ「◯◯賞受賞作」の肩書きがついていても、かなり出来不出来があるなと感じることはないだろうか?
  身も蓋もないことを言ってしまえば、不作の年のトップ作(文学賞で言えば受賞作)選出は、窮余の策でしかない。「今年は、他にないから仕方ないよね」で無 理くり選んだ「一番」を、豊作の年のトップ10と並べたら、圏外ということも十分あり得るのである。結局通年選出というシステムは、時々の状況に左右され る「相対評価」であって、「絶対評価」ではないのだ。
 にも関わらず、「ベスト10」入りした作品は、それをフックに部数を伸ばし、ほぼ自動的に 「名作」の肩書きを得る。『週刊文春ミステリーベスト10』が35年、『このミス』が25年。その権威や信頼度は今や絶大だ。日本のミステリーにおける、 「名作鑑定機関」として揺るぎのない地位を築いている。

 世界最初のミステリー小説と言われる、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺 人」が発表されたのが1841年。ミステリ170年の歴史の中で「その作品」はどこに位置するのか? なにより、読者にとって「心底面白い」オールタイ ム・ベストなのか? という問いがどうしても残ってしまう。

 昨年、Live Wireでは「23年目の発売日に考える『このミステリーがすごい!』のどこがすごいか?」  (2011年12月10日)を開催し、そうしたベスト10システムの陥穽と問題点を考えてみた。ゲストの茶木則夫さん(「このミス」の企画者)が発した 「ベスト10なんかさぁ、最初はただの遊びだったんだから。もう止めちゃえばいいんだよぉ!」という渾身の絶叫が、未だに耳に残っているような気もする。

 さて、その辺りの事情を踏まえていただいて、本題である。
 昨年の「このミス」イベントの第二部「翻訳ミステリー担当編集者座談会」に参加していた、文藝春秋の永嶋俊一郎氏が、この「170年間ベスト問題」に対しこんな挑戦的な回答を出してきた。
 

 『東西ミステリーベスト100』――。
  いまから27年前の1985年に「週刊文春」が大アンケートを敢行して発表された日本最大のオールタイム・ベスト・ミステリ選定企画。海外ミステリベスト 100、国内ミステリベスト100が、週刊文春で2号にわたって発表され、翌1986年に文春文庫として刊行されました。

  瀬戸川猛資氏やデビュー前の北村薫氏、折原一氏などが執筆に参加、海外国内合計200の傑作ミステリが熱のこもった「あらすじ」と解説文で紹介された、こ れは名作ミステリのガイドブックの決定版と言えるものでした。現在の日本のミステリ・シーンを支えるひとたちの多くが、十代のときに『東西ミステリーベス ト100』を片手に書店をまわり、ページにチェックを入れながら、ミステリ通になっていたと告白しています。

 しかし――。
  あの頃はまだ「新本格ミステリ」は登場しておらず、「サイコ・サスペンス」も「リーガル・サスペンス」もなく、「日常の謎」も存在していなければ、「ノワール」もありませんでした。
 
  27年を経た今、新たな『東西ミステリーベスト100』を編もう、という計画がスタ
ート。ふたたび大アンケートをおこない、21世紀版の『東西ミステリーベスト100』
が完成しました。
 400ページ超の紙数を埋めるのは100%ミステリの紹介のみ。
  第一線のミステリ評論家たちが覆面で執筆、持てる技量を注ぎ込んだ「あらすじ」と解題は、86年版に劣らぬ熱さとパワーをもってミステリ入門者の心を奪い、ミステリ通の記憶を起爆します。
 
この本に関わったひとびとはみな、かつて85-86年版によって、ミステリの昂奮を知
り、ミステリを深く愛するようになったのでした。その恩返しのために、という思いが、
ここに結実しています。

 果たして新本格ミステリはどこまで上位に食い込むのか?
 1位の定番『Yの悲劇』の牙城は崩せるのか?
 
 ベスト1からベスト100まで、トータル202作。
 駄作一切なしのブックガイドがここに完成しました。
 これからミステリを読んでみたいという方も、ミステリなら大体読んだよという方も、全ページを舐めるように読んで、まだ見ぬ名作たちと出会っていただけると幸いです。
 
 死ぬまで使えるブックガイド。さあ、チェック用の赤鉛筆のご準備を。

(永嶋俊一郎)

 
 このむせ返るような熱気と確信を見よ、と言いたい。

  『 東西ミステリーベスト100(2012年版)』こそ、「年間ベスト10」という業界権威に対して、骨の髄からのミステリ者達が放つ渾身のカウンターパンチ だという宣言である。発刊時期はもちろんのこと、「死ぬまで使えるブックガイド 」というさりげない表現には、年間ベストの刹那性に対する鋭い刃が秘められていると僕は読んだ。

 まさに、確信犯的犯行としか言いようがない。
 本来コンサバティブな存在であるはずの「ジャンル名作ガイド」というフォーマットを武器に、ミステリ読者の根源的な「初心」を駆動力にして、祝祭のパレードに向けて放つ一発の黒い凶弾なのだ。
 
 確信犯編集者と、その共犯であるライター達が集う今回のライブ版トーク。
 一見なんの変哲もない一冊のブックガイドを、強靭な革命の書に読み変える暗号キーが、この場で語られることになるだろう。
 一斉蜂起の参加者を求む! 

[日時] 2012年11月25日(日) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■都営新宿線 新宿三丁目駅C6~8出口から徒歩5分
■東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)